文化的景観とは人がその場所で生活し、生業をおこすことで生まれる景観のことをいいます。
 これは単なる自然景観とは異なり、そこには常に人の営みがあり、そこに人が営むことにより人為的な景観が生まれ、それが自然あるいは風土と一体になった景観ということになります。棚田や段畑、水辺の景観などを思い浮かべると分かり易いかもしれません。また、人が一度も住んだことのない無人島を思い浮かべてみてください。そこには文化的景観が存在しないことがわかると思います。
文化的景観というのは人の住む場所には常に生まれます。実は都会でも田舎でも人の住む場所、生業がおこなわれる場所はどこでも文化的景観があるといえるのです。都会のニュータウンや、街路樹の景観、ウオーターフロントの景観も一種の文化的景観です。
そのような多種多様な文化的景観のうち、文化庁では我が国の歴史や文化のなかにおける、生活や生業を理解するうえで重要なものを「重要文化的景観」として選定しています。重要文化財や史跡のように国の文化財保護制度の一環になります。

重要文化的景観とは、まさに「ひとの生き様が現れた景観」といえるものなのです。


令和元年10月16日時点で、全国で65件が選定されています。
文化庁ホームページ http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/keikan/
北魚目地区全景 崎浦地区全景
北魚目地区の風景 崎浦地区の景観